
干し納豆は茨城県の名産です。茨城県といえばもちろん水戸納豆。茨城県は古くから納豆生産が盛んな土地です。茨城県の県北から県央地域には那珂川という川が流れており、治水技術が未発達だったころは秋の台風シーズンになると那珂川の氾濫による水害が頻発したため、水戸藩は台風が来る前に収穫できる早生大豆づくりを奨励しました。しかし、早生大豆は、台風の後に収穫する大豆に比べて小さく、豆腐や味噌などの加工には向きませんでした。そこで、小さい大豆でも美味しく作れる加工品として、納豆が注目されたのです。
茨城県で作付けされている品種は、大粒で豆腐などに使われるタチナガハが50%、小粒で納豆に適した納豆小粒が45%で、他県に比べ小粒大豆の生産が多いです。茨城県の育成品種「納豆小粒」は糸引きが良く、独特の口当たりと風味を持っています。
あの藁に包まれている昔ながらの「わらつと納豆」の生産、大豆と納豆菌の品種改良も盛んに行われています。